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03 ポジャギはとってもフレキシブル

ポジャギの用途は実に柔軟性に富んでいます。
物を包んだり、運んだり、物の上に被せたり…

そもそも一枚の布であるポジャギはどの様に生まれたのでしょう?

ポジャギを意味する「褓」と言う漢字は「むつき」と読み、
本来は赤ちゃんの産着やオムツを示すものです。
因みに、韓国では赤ん坊は背負うのではなく、一枚の大きなポジャギで腰に括ります。
古代、人の纏った衣服は一枚の布から始まりでした。
布を纏うと言うシンプルなものから、それを紐で結んだり、切ったり、縫ったりして
現代の様な形に発展、変化させたというのは万国共通です。
しかし韓国の衣服を見ますと、一枚の布の形状が限りなく原型のまま生かされ、
西洋の洋服には見ることの出来ない、余裕や美しさのようなものを感じることが出来ます。
特にチマ(スカート)は110cm幅で4mもの布を使います。いくらでもリサイクル可能な量ですね。
着古され、その使命を終えた韓服はポジャギに仕立て直され、また生活の中で新しい役割を担うのです。
限りなく一枚の布に近いからこそ、可能なことですね。

現在、韓国の仙厳寺(注1)に保存されている、
もっとも古いと言わる高麗時代のポジャギは、「卓衣(=袈裟)」呼ばれています。
これは、ポジャギが衣服と同じ次元の物と考えられていたことの表れでしょう。

また、ポジャギはその形もフレキシブル。
ポジャギは端に紐が付いており、包容量より大きいものはその紐で結ぶようになっています。
日本や中国の風呂敷には見られない特徴です。
ちょっと、欲張りな韓国人らしい発想だと思いませんか?
現代では本来の用途から離れ、インテリアとして使われることも多いポジャギです。
カーテンや間仕切り、テーブルクロス、マットなど、その可能性は限り有りません。


注1 仙厳寺 (ソナムサ 全羅南道 順天市)
景文王元年(861年・新羅時代)に道默国師がここに大伽藍を創建。 湖南の三庵寺のうちの首刹として禅道を大きく広めた。
地方文化財11点を含め11点の文化財が保存されている。


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