韓国でポジャギが発達したのには、居住条件と大いに関係があるようです。
緯度上、寒い国に属すること、国土は狭く人口密度の高いことから
韓国の住居は低く作られ、空間は狭く取られています。
建築資材も木や土、藁や紙といったものです。
家具は少なく、納戸や押入れといったものも有りません。
なので、隙間風をしのいだり、埃が付かないように布団や食器、着物などの
家財道具を包んだりとポジャギは大活躍しました。
また、使わない時は畳んでしまってもおけます。
もう一つポジャギが発達したのには、日常の祈福信仰にも由来するようです。
日ごろお世話になっている方々や家族、友人たちの安寧と幸福、長寿を祈る。
その行為自体がまた自分の福を招くという俗信からポジャギは沢山作られました。
ポジャギの古くは「袱、褓」−ポクと呼ばれており、
この字は「福」と同じ発音だったことから、「福を呼び、福を包む」と言われてきました。
日常やり取りされる物を包むポジャギから、婚礼時の結い納品や
嫁入り道具に使われるものまで、それぞれの想いや気持ちを込めて、
刺繍を施したり余り布を一つひとつ繋ぎ合わせたりと丁寧に作られ、
その技法も母から娘に大事に受け継がれていきました。
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